雨の季節になりました。
子供の頃から雨の日が好きでした。
雨、雨、降れ、降れ、母さんが蛇の目でお迎え嬉しいな♪
学校からの帰り、雨の日にはバス停まで母が迎えに来てくれました。家族が迎えに来てくれる、私を待っていてくれる人がいる、そう思うだけで胸が熱くなります。
雨音の持つエンターテインメント性にも惹かれるものがあります。雨音はショパンの調べ、なんて曲もありましたね。私は今マンションに住んでいますし、オフィスも外のお天気がわかりにくいオフィスビルです。でも外に出てポツリ、ポツリと続く雨音に耳を澄ましていると、すーっと透明な異世界に引き込まれてしまいそうになります。
ところが、ANAに就職し、雨が嫌いになりました。航空会社は悪天候が最大の敵です。風や雪だけではなく雨も天敵です。雨によって視程が低くなると飛行機の運航に大きく影響するのです。ANAで運航に関わる部署にはトータルで12年ほどおりましたが毎日天気予報に神経を尖らせ、明日の悪天候の予報を聞くと憂鬱な気分になりました。お客様がお待ちになっている飛行機の遅延やキャンセルの手配も心が痛いですし人員の再配置やあご・脚・枕の手配にも労力がかかりましたが、我々スタッフも職場に時間通りに辿り着かないといけません。電車やバスの運行が乱れるような日はいつもより早い時間に自宅を出て、文字通り歯を食いしばって出勤したものです。公共交通機関に勤めている者の責任です。
仕事をするということ、企業に勤めるということには責任が伴います。「今日は雨が降っているから仕事に行きたくないな」そんな気分になることも時にはあるでしょう。でも「雨が降る=仕事をしない」という理論は成り立ちません。昨今は企業も従業員の安全を鑑みて無理に出社、退社をさせない方針のところが増えました。コロナ禍に定着したリモートでの勤務もこういう時こそ活用されていることと思います。こういう時だからこそできる仕事を選び、次のタスクに立ち向かえるよう準備をしておきたいものです。
私も今日は出社せず自宅でリモートワークをしています。元来、外に出ることが好きでうちでじっとしているのは苦手なのですが、こんな悪天候の日は溜まりに溜まったデスクワークを片づけたり、次のプレゼン資料を作成したり、雨のおかげで腰を据えてできる作業がたくさんあり、とても捗りました。
やっぱり雨が好きです。